日本の常識=非常識?これからの転職の常識はこう変わる

日本の転職市場は非常識に溢れています。
もちろん世界で一般的な転職ルールが正しいとは思いません。
しかしそのようなグローバルスタンダードとはかけ離れている日本の転職事情。
今後は変化が必ず訪れます。というよりもすでに変わり始めているのです。

ただ、そのような市場で戦わなければいけないのだから
ルールをしっかりと学んでおく必要があります。

目次

日本の常識=非常識?

かつての日本の常識であった終身雇用。今やもはや時代遅れと言われています。
その他に日本の転職市場にはびこる常識とは何でしょうか?
①転職回数〇回以上の人は書類を見もしないでお見送り
②書類選考の判断基準
③総合職という中身がわからないポジション
④ジョブローテーションを一種の売りにしている
⑤面接での合否の判断基準

などさまざまあります。

まず終身雇用制度においては、確かにメリットはあります。
新卒から一貫して一社に勤めることで企業のことを熟知し、忠誠心が高い従業員が生まれます。
また従業員からしても安心できるでしょう。

しかし、そもそも会社が一生つぶれないなんて保証は有りません。
また日々変化する現在のビジネスシーンにおいて、
定年まで通用するスキルなどありません。

そもそも、海外では終身雇用制度なんて無く、グローバル視点で見ると非常識と言えるでしょう。
そんな会社に海外から優秀な社員は集まりません。
もちろん世界標準が一番正しい訳ではありません。日本に合った制度で良いと思います。
しかし、海外から見ると日本の転職市場は不思議なところばかりです。

①転職回数〇回以上の人は書類を見もしないでお見送り

普段転職する際に見る求人票には必要なスキルや要件については書かれているかと思います。
求人票に転職回数が〇回以上の方はNGなんて見たことないですよね。
しかし、転職エージェントが普段触れているエージェント用の求人票には当たり前のように記載がされています。

確かに、20代で10回以上の転職をしているような人は「長続きしない人」というレッテルを張られるのは仕方ないのかもしれません。しかし、20代で3回の転職をしているだけでNGにする企業は多いのが実情です。

終身雇用が当たり前の時代では転職回数は1回の人も珍しかった日本。
しかしデータブック国際労働比較2018によると日本の平均勤続年数は長いことがわかります。
・アメリカ 4.2年
・イギリス 8.0年
・ドイツ  10.7年
・日本   11.9年
現状では、終身雇用制度の会社でずっと働いている人が多くいるので平均勤続年数が長いということも考えられます。
しかし、この年数から言うと社会人人生約50年のうちにアメリカは約12回、日本が約4回の転職をすることになります。

私自身、なんでもアメリカが正しい!みたいな考え方には反対ですが、
せめて転職回数よりもそこで学んだスキルを見てほしいと考えています。

「1年間しか勤めていない会社ではスキルは身につかない」


本当にそうでしょうか。
エンジニアであれば一つのプロジェクトを完結させたかもしれません。
営業であれば様々な会社の営業手法の良い点、悪い点を見比べてきたでしょう。

②書類選考の判断基準

もちろん一概にすべての企業がというわけではありませんが、
日本企業において書類選考の判断基準は「年齢」「経験社数」が一つの足切りラインとして用意されています。

そもそもジョブ型雇用では年齢は関係ありません。その仕事ができるかどうか。
アメリカでは履歴書に年齢も性別も記載をしません。
また顔写真をつける必要もありません。だってその仕事が出来ればいいのだから。
その代わりに推薦人を書くことが多いようです。
自分の経歴やスキルを証明してくれる人を記載することでスキルの保証を行います。

③総合職という中身がわからないポジション

新卒採用時によく見かける「総合職」
では「総合職」ってなんでしょうか?言葉だけ聞くと「なんでも全般的にやる」職?
総合職と比べられるのが「一般職」です。ってことは一般の職よりも偉いのでしょうか。

そもそも総合職は業務範囲の定めがないポジションです。
総合職で入社した社員は、将来の管理職・幹部候補として幅広い業務を任されます。
ジョブローテーションをして様々な業務の経験を積むこともあり、転勤が発生することもあります。

しかし、新卒段階で専門の仕事を選べない人も多くいます。業務経験がなく自分の適性がわからない段階で総合職という選択肢は魅力的です。
海外で一般的な「ジョブ型雇用」では「総合職」という考えはありません。営業なら営業職、人事なら人事職とそれぞれの仕事内容や求めるスキルに応じて求人が出されます。
さて、ここで問題なのは「総合職」として勤務した後に何ができるようになるのでしょうか。
営業も一通り、事務も一通り、人事も任されて、、、
その経験値はどれも中途半端です。専門的に営業をやってきた人にはかなわないでしょう。
しかし転職市場を見ると「総合職」採用は有りません。転職市場はすでにジョブ型雇用す。

ジョブローテーションを一種の売りにしている

ジョブローテーションは従業員にとってさまざまな業務を経験して自分の適性を判断するのには役に立ちます。
しかし、専門スキルは身に付きません。

私自身多くの求職者と接してきたなかで、一番転職に難航するのが薄く広く経験している求職者です。
確かに広く業務を経験することは大切です。ですが転職市場で求められるのはスキルです。

「あなたには何ができますか?」
「あなたを採用するとうちの会社にはどんなメリットがありますか?」


幅広い経験より求められるのは一つの特化したスキルと実績です。

現にキャリアへの満足度が高い人は20代のうちに自分の専門分野を決めて深めた経験がある人が多いです。
また初期に専門分野を深めたタイプは平均年収が高めになる傾向があります。
(参考:リクルートワークス研究所

そしてその後、スキルの幅を広げいわゆる「T型人材」としてさらに需要が増すのです。
T型人材は「一型」ではなく「I型」から生まれるです。

この調査を実行したリクルートワークス研究所によると、確たる専門性があるからこそ仕事の進め方を自分で決められるためより裁量の大きい仕事に挑戦できるようになるとのことです。

⑤面接での合否の判断基準

私自身が面接対策をしているなかで一番に疑問に感じている点でもあります。
そして内定をもらうためには必要な要素。
それは「会社に迎合する」ことです。

先ほど転職市場はジョブ型雇用と書きましたがこの部分では異なります。
「その仕事が出来ればいい」という考えではなく「将来のキャリア・志向」「過去の転職理由」「志望動機」「理念と合致しているのか」が一番優先されます。

確かに一理あります。
・「将来長く続けてくれる人が欲しい」
・「うちの会社に適応するのかな」
・「ちゃんと企業のこと調べてきているのかな」
大事なポイントではあります。

またこうも伝えます。
「面接の場では条件交渉を行わないでください」
これは内定前に条件を交渉するとお見送りになるケースがあるからです。

相手が質問したことに、相手が望む答えをする
それこそが転職面接の必須ルールです。
その割には面接回数は1~3回程度。前職調査を行わない企業が多いです。

つまり面接において大切なことは、スキルや過去の実績ではなく「面接力」なのです。
上記のポイントはすべて調べれば用意が出来ます。

新卒の際に周りに沢山内定もらっている人と全くもらっていない人がいるでしょう。
それはただ単に面接力や事前準備の違いです。大学生時代に業務に活かせる経験を積んだ人など珍しいのでスキルにそれほど差はありません。

本来のジョブ型採用であれば、この仕事ができるのかどうかに重きを置きます。
そのため経歴や実績、スキルに重きを置き、前職調査をすることにより裏付けをします。

これからの転職市場の新ルール

さて、上記に書いた例は決して悪いことばかりではありません!
ジョブ型雇用にもデメリットがあり、海外の一般的な採用手法が正しい訳ではないのです。

例えばスキルを積めなかった人や実績を残せなかった人はどうでしょう。
今の仕事に求められる要件から外れ、転職しても今の会社以上の条件を見つけるのが困難になります。
その点、ジョブ型に移行しつつも終身雇用の名残を残した現代の日本のハイブリッド型では、
失敗しても社内でのキャリアを築いていく事が可能です。
その仕事のために採用するのではなく、その仕事からキャリアアップをして長年勤めることを期待しているからです。

では今後どのように変わっていくのでしょうか。
①ハイブリッド型
②スキルで募集する
③リファラルの活用
④他業種他業界

①ハイブリッド型

前述のように日本はすでにジョブ型雇用と終身雇用を合わせたハイブリッド型と言えるでしょう。
新卒採用においても職務の定めのない「総合職」と職務を限定した「ジョブ型」どちらも使い分けている企業があります。
すでに7割以上の企業が職種別採用を実施しています
(参考:就職みらい研究所「就職白書2020」)

例えば株式会社ソニーは2022年卒の学生から募集職種を88個に細かく分けジョブ型採用をスタートします。
しかしそうした「ジョブ型」の危ういところは一つのスキルには限界がある点です。
2022年の新卒が定年を迎えるころには今ある職種はガラっと変わり、求められるスキルは変わってくるでしょう。
一つのスキルを頼りにわたり歩くのには限界があります。

また、潜在能力の高い学生の一括採用において総合職での採用はメリットがあります。
しかし、総合職で入社し希望や適性と異なる部署に配属されたらどうでしょうか。
以前までの終身雇用では我慢してキャリアを伸ばしましたが、今では転職して希望の職種に就くのが当たりまえ、
新卒学生の早期退職が増えている原因です。

そのため一つの会社で長く勤めて専門職を活かして、他の部署の業務にも関わる横ぐしを刺したような活動や、
新しいスキルを身に着けるための転職は必要です。
副業も解禁された今、学ぶ機会はたくさんあります。
ジョブ型だけでも総合職だけでも生き残れません。

②スキルで募集する

今後グローバル化がより進むにつれ、多くの企業は外国人の採用を増やすでしょう。
その際に優秀な人材を採用するためには相手の国の転職の文化を知っている必要があります。

転職回数や年齢に関する考え方は国により大きく異なります。
共通して判断できる内容は「スキル」のみになるでしょう。

では日本人の求職者はいつまでも今までの選考で進めるのか?
これに関しては変わる企業、変わらない企業があるでしょう。

というのも選考する人の固定観念を変えなければいけません。
「年齢が高い=柔軟性がない」「転職歴が多い=長続きしない」「自己主張をする=会社になじめない」
私でもどこかでそう思ってしまっています。

しかし、大きく変わるのは求職者です。
自身のキャリアを考える求職者ほど次の会社でどんなスキルが得られるのかで仕事を選びます。
求人票を眺めるとタイトルには「労働環境・給料・社風」などをアピールしている会社が目立ちます。
そうではなく、キャリア形成を考えている人にとって大事なのは得られるスキルと経験です。
今後は他社に勝るスキルを詰める環境こそが最大のアピールとなるでしょう。

参考:これからの時代に必要なスキルとは?一生食っていけるスキル4選と仕事を大公開!

③リファラルの活用

外資系の企業において多いのがリファラル採用です。
前職調査も同様ですが、スキルを確認するのに周囲の評判を聞くことは非常に有効です。
「面接力」が達者な人が内定を勝ち取るのが難しい時代が到来するでしょう。

またビジネスにおいてどんどん新しい技術が生まれ、それを活用するポジションが生まれ
どんどん業務が細分化されていきます。
営業一つとってもインサイドセールス、フィールドセールス、マーケティング、カスタマーサクセスと様々です。

人柄だけで判断することに対してのリスクは今後より増してくるため、
周囲の評価を含めた評価をしなければいけなくなります

④他業種他業界

かつては他業種かつ他業態への転職は非常にハードルが高かったです。
転職したとしても、0からのスタート。
しかし複雑に絡み合う市場のなかで全てのスキルは無駄にはなりません。
意識を変えることでシナジーを生み出すのです。

例えば私は新卒で飲食店に勤務をしました。その後、人材紹介会社に転職をしています。
はたから見ると全くの他業種他業界です。
しかし、飲食店時代に培った接客力やイレギュラーに対応するスキルはとても役に立ちます。
人材紹介は結局は求職者との信頼関係の構築です。お客様として接する姿勢が求められます。
また、求職者は千差万別でみんな違います。人を扱う仕事だけにイレギュラーなことは日常茶飯事です。
そこで冷静に対応するのに飲食経験は非常に役に立っています。

また転職者のキャリア移行比率を見ると一番多いのは他業種他業態で34%です(参考JOB PICKS)
これは何もスキルのシナジーを期待してという理由ばかりではありません。
そもそも誰もが経験したことのないような仕事がどんどん出現しているからです。

今後は他業種他業界への転職もより増えていくでしょう。

これからのキャリアを作る

さて、上記を踏まえて我々労働者が意識をしなけれな行けないことは「スキル」です。
何度も何度も出てきましたが、会社で選ぶのではなく「スキル」で選び自信をレベルアップさせていかなければいけません。


ドラゴンクエストやファイナルファンタジーといったRPGゲームのレベル上げです。
効率よく戦うためにはそれぞれの特性に合った特有のスキルをまず上げること。
攻撃ならコイツ、回復ならコイツ、魔法ならコイツ
といった具合に自分のスキルを上げていきます。

しかし、ストーリーの終盤に差し掛かると得意なスキルだけでは生き残れません。
HPやMP、防御力などの基礎能力は勿論ですが、相手の弱点を把握したうえでの攻略が必要です。

まず得意分野を伸ばす、そのうえで戦略的にそのスキルを活かす。
かつ、一人でも戦えるように攻撃だけでなく、魔法や回復も覚えていく。
そんなキャリアを作るための転職こそがこれからのスタンダードです。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

人材紹介会社にて約6年勤務。
人事責任者としての経験もあり、求職者側・企業側双方の視点から人事を学んでおります。

目次
閉じる