学校教育制度及びキャリア教育の知識のまとめ~キャリアコンサルタント量産計画

いままでキャリアの重要性については沢山学んだけど
もっと早く言ってほしかったなぁ
大学の就職活動期間だけじゃ考えきれないよ

そうだよね、、、
だからこそ今キャリア教育に注目されているんだ!

細目はこちら

学校教育制度や、初等中等教育から高等教育に至る学校種ごとの教育目標等、青少年 期の発達課題等に応じたキャリア教育のあり方等について一般的な知識を有すること。

キャリア教育

近年重視される「キャリア教育」
学校教育の段階からキャリアに関して教えて、考えようということです。

オレそんなの教わった覚えないなぁ

キャリア教育は1999年に「望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身に着けさせるとともに、自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育」と定義されました。
またそのような教育を小学校から段階的に始める必要があると国は言っています。

キャリコンで学ぶような知識ではなく
職業観や勤労観、自分自身の個性の理解
がメインになってるよ

キャリア教育が必要とされる背景には、新規学卒者のフリーター志向が増えたことや、
新卒の就職後3年以内の離職率の高さがあります。

2011年にはキャリア教育を「一人一人の社会的・職業的自立に向け必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育」と定義されています。

さっきのと何が違うの?

大きいのは「社会的・職業的自立」っていう目標が立ったことかな
昔は会社に入れば終身雇用だったけど、今は違うじゃん?
そんな不安定な世の中でも自立していける能力を目指すんだ

それと区別されるのが職業教育です。
職業教育は「一定または特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育」と区別されています。

なるほど、、、
社会の荒波の中で生き残るための指針がキャリア教育で
そのための技術が職業教育って感じか

社会的職業的自立に必要な4つの能力

では社会的職業的自立学生から社会人に円滑に移行するためには何が必要なのでしょうか。

それは基礎的・汎用的能力として4つ掲げられています。

基礎的・汎用的能力

①人間関係形成・社会形成能力
②自己理解・自己管理能力
③課題対応能力
④キャリアプランニング能力

①人間関係形成・社会形成能力

他者の多様な考え方や立場を理解して、相手の意見をよく聞いたうえで自分の考えを正確に伝えることが出来る。
また自分が置かれている状況を理解して、役割を果たしながら他者と協力して社会に参加し社会を形成する力

②自己理解・自己管理能力

自分が出来ることや意義を感じること、したいことについて学ぼうとする力
社会との相互関係を保ちながら主体的に行動して、なおかつ自分の思考や感情を律し、成長のために進んで学ぶ能力のこと

③課題対応能力

仕事をするうえで課題を発見し、分析し、適切な計画を立てて解決できる力

④キャリアプランニング能力

主体的にキャリアを形成していく力
働くことの意義を理解して自らが果たすべき役割との関連を踏まえて働くことを位置づけ、
多様な生き方に関する情報を適切に取捨選択して活用してキャリアを形成していく能力のこと

なんかまた覚えることがおおい

①他の人と協力して社会に参加する力
②自分のことを理解して自分を成長させる力
③課題に対応する力
④自分で自分の人生を決める力

みたいな感じかな

教育基本法・学校教育法・学習指導要領

2006年に教育基本法、2007年に学校教育法が改正されキャリア教育の推進に関する法律が加えられました。

教育基本法

第2条第2号
個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自立の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと

第5条第2項
義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする

すごーく嫌な言い方をすると
・自立して働くことを立派なことだと教えなさい
・義務教育の目的は自立して生きて、社会を構成する能力を養うため

学校教育法

第21条第1号
学校内外における社会的活動を促進し、自主、自立及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと

同第4号
家族と家庭の役割、生活に必要な衣食住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと

同第10号
職業についての基礎的な知識と技能、均等を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと

これはですねぇ
・机に向かう勉強以外での社会的活動もさせなさい
・勉強や仕事のことだけでなく身の回りの生活や社会についても教えなさい
・キャリアについて自分で選択する力を養いなさい

ってな感じ

学習指導要領

また教育基本法と学校教育法の改正と並行して学習指導要領の改訂も進められています。
2008年に幼稚園・小学校・中学校の指導要領が作られました。
これらの学習指導要領にもキャリア教育に関する内容が含まれています。

えっそうなの?
そんなの習った覚えないんだけど、、、

そもそも学習指導要領とは学校の教育課程の基準を定めるものです。
10年ごとに改定されています。新学習容量は2021年から全面実施され、2022年度から年次進行で実施されます。
年次進行とは新学習指導要領による教育課程に移行する際に、ある年の生徒だけ履修できない科目が生じたり、科目が重複しないように段階的に実施することです。

あぁーなんか小学生の時週休2日になったり
科目が変わったりしてたなぁ
お兄ちゃんと受ける授業違ったりとかもあったかも

そして新しい学習指導要領には「キャリア教育の充実を図ること」が明記されています。
小学校・中学校の新学習指導要領では学級活動で取り組む内容に
「一人一人のキャリア形成と自己実現」が掲げられました

いまは小学校からキャリア形成とか自己実現とか考えてるのかぁ
将来が末恐ろしいや、、、

中学校の学習指導要領では「技術・家庭」の教科で
「仕事の楽しさや感性の喜びを体得させるよう、実践的・体験的な活動を充実すること」
「生徒のキャリア発達を踏まえて学習内容と将来の職業の選択や生きかたとのかかわりについても扱うこと」とされています。

職場体験・インターンシップ

職場体験は中学校の生徒が地域のさまざまな事業所で実際に仕事をしたり、働く人々と接したりする学習活動です。
キャリア教育推進の一環として文部科学省が2005~2008年にかけて
5日間の連続の職場体験活動の実施を促進する「キャリア・スタート・ウィーク」事業を展開しました。
その結果職場体験活動を実施する中学校は近年増加しています。
2017年には公立中学の98.6%が実施しています(私立は32.9%)

私立だとまだまだ導入が少ないんだね

インターンシップは大学生や高校生が在学中に一定期間企業などで実際の業務を体験する制度です。
企業にとっても優秀な人材と会えて実際の適性を見極めるきっかけにもなります。
大学生を対象とするインターンシップは2000年代ごろから外資系企業、IT関連企業を中心に増えていき
今ではすっかり定着しています。
なかにはインターンシップへの参加を単位として認定している大学もあります。

高校生を対象とするインターンシップは従来から専門高等学校において実習の一部として行われていました。
そのうえで文部科学省は普通科、総合学科においてもインターンシップの導入を促進する施策を推進しています。
その結果インターンシップを実施している効率高等学校は84.8%まで増えています。

高校からは中学とは違って「体験」じゃないのか
確かに学生のインターンシップって普通に働いた覚えがあるな

キャリアパスポート

引用:文部科学省 キャリアパスポート

キャリアパスポートとは小中高校生が学習や学校生活に関する目標を設定して
その達成度を自己評価するための教材です。
学生版ジョブカードですね!

文部科学省は2020年度から全国の全ての小中高等学校にてキャリアパスポートの導入を決めています。

これはあくまでも「自己評価」ってとこが肝だね!

自己評価の指導には教員が対話的に関わることとされています。
キャリア・パスポートの達成度合いは成績には反映されません。

小学校から目標を立てて自分の成長を実感することは自分の長所や興味の対象を明確にすることにつながります

専門職大学・専門職短期大学

2019年度から新たな高等教育機関として専門職大学、専門職短期大学が設置されました。

専門職大学、専門職短期大学は卒業に必要な単位の三分の一以上を実習や実技の授業として実践的な教育訓練に重点を置いています。理論に精通した研究者と現場経験を持つ実務家が教員を務めます。
また総合科目も設けられており専門分野以外の知識を学ぶことも可能です。
従来の専修学校とはことなり「一条校」です。
「一条校」とは学校教育法第一条に掲げられている学校です。
つまり卒業すれば大学や短大の卒業生と同様に「学士」「短期大学士」の学位が得られます

選考の種類はさまざまで
農業・芸術・ファッション・情報経営・工学・リハビリなどの学校があるよ!

この記事の監修者

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キャリアコンサルタント

兵庫 直樹

国家資格キャリアコンサルタント。大手外資系ホテル勤務を経て、15年に亘り、マネジメント業務に従事。 その中で人材関連に興味を持ち、キャリアコンサルタントを取得し人材業界へ。その後、持ち前のコミュニケーション能力と資格を生かし、ハローワークにて就業支援に従事してきた異例の経歴!

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