キャリアコンサルティングの役割の理解~キャリアコンサルタント増産計画

2 キャリアコンサルティングの役割の理解

前の重要度MAX!キャリアコンサルティングの社会的意義①~キャリコン増産計画
でも紹介したが下記のキャリアコンサルティングとは、は丸暗記!

キャリアコンサルティングとは
労働者の職業の選択、職業生活設計または職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと

キャリアコンサルタントにはカウンセリングや問題解決のための情報提供や助言をするために
幅広い知識やトレーニングスキルを求められます。
自己責任が求められる現代において、
キャリア形成を考えずに充実した職業生活を送ることは難しいです。

そうした現代の環境に対してキャリア形成やキャリア教育支援を行う専門家こそがキャリアコンサルタント!

キャリアに関する相談業務はもちろん、キャリア研修の企画・実施、ハラスメントの防止
メンタルヘルスケア等、業務はさまざま。

他人の人生に影響を与える責任を自覚して、責任に応えるための資質職業倫理が求められます。

出題範囲細目

キャリアコンサルティングの役割と意義に関し、次に掲げる事項について詳細な知識を有すること。

① キャリアコンサルティングは、職業を中心にしながらも個人の生き甲斐
働き甲斐まで含めたキャリア形成を支援するものであること。
② 個人が自らキャリアマネジメントをすることにより自立・自律できるように支援するものであること。
③ キャリアコンサルティングは、個人と組織との共生の関係をつくる上で重要なもの であること。
④ キャリアコンサルティングは、個人に対する相談支援だけでなく、
キャリア形成や キャリアコンサルティングに関する
教育・普及活動、組織(企業)・環境への働きかけ等も含むものであること。

まーた、なんかややこしそう

もう一回細目をよーくみてみて!
実はこの細目そのものが答え!
キャリアコンサルティングの役割について大体細目に書いてある通り
だから実際にどんな効果をもたらすのか調査結果を見ながら覚えよう!

平成27年度「キャリア・コンサルティング研究会」報告書の要約

平成27年度「キャリア・コンサルティング研究会」報告書の要約

現在の課題は

・社会環境の変化に対応するために、ひとりひとりの労働者が自らのキャリアを主体的に考え
自分の能力開発をする目標や身に着けるべき知識などを確認する機会を整備しなければならない

・ただあまりにも変化が激しく、具体的に何をしたらいいのかわからない・どのような選択肢があるのか知らない
など悩んでいる人が多いのが今の状況です。

・企業や事業所を見ても能力開発をする人材の不足・時間の不足などで人材育成投資は減少傾向、、、
人材の育成の問題を抱えている事業所はたくさんある

・労働者にとってみれば、適切な助言や情報を提供する専門家がいれば
目指すキャリアの道筋をより効果的に具体化することが出来るだろう。

・企業にとってみれば、働き方が多様化して職業生活設計に配慮することが重要な課題となる中で
専門家からのフィードバックを活用することが出来れば課題の把握とアプローチが可能になる。
また主体的にキャリア形成を行うことのできる人材が増えることで高い生産性も期待できる

背景には以上のような課題があり我らがキャリアコンサルタントは生まれました!
キャリア形成は個人だけでなく、企業にもメリットがあるのです。

ではどの程度導入されているのか?実際に効果はあるのか?

平成30年度能力開発基本調査

参照:平成30年度能力開発基本調査
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/00002075_000010.html

導入している企業は全体の44.5%
ここでも正社員と正社員以外の格差が見られます。

ではなぜキャリアコンサルティングを導入しないのでしょうか

一番多いのは労働者からの希望がないから。
2番目は人材の育成が出来ていないからですね。それについで時間の問題。

そもそも現段階で人手不足でアップアップしている企業からしてみれば、
今はそれどころじゃないって思われてしまっているのが現状です。

ではキャリアコンサルティングを実施している企業はどのようなタイミングで行うのか。

「労働者から求めがあった時に実施する」が最も高い。
これは計画的にキャリアコンサルティングを行っていない会社が多いということでもあります。

ではキャリアコンサルティングの目的と効果はいかほどか

「労働者の仕事に対する意識を高め、職場の活性化を図るため」
「労働者の自己啓発を促すため」
「労働者の希望等を踏まえ、人事管理制度を的確に運用するため」

目的

「労働者の仕事に対する意識を高め、職場の活性化を図るため」
「労働者の自己啓発を促すため」
「労働者の希望等を踏まえ、人事管理制度を的確に運用するため」

を目的に導入していることがおおい、それに対して効果としては

効果

「労働者の仕事への意欲が高まった」
「自己啓発する労働者が増えた」

が高く、目的に対して効果が表れていることがわかります。

では問題点はどうでしょう。
問題があると答えた事業所は全体の約6割。過半数を超える企業でまだ、問題があるようです。

「労働者がキャリアに関する相談 をする時間を確保することが難しい」
「キャリア に関する相談を行っても、効果が見えにくい」
「労働者からのキャリアに関する相談件数が少ない」

と問題を抱えている企業は多い。

労働者個人側の視点で見てみるとどうでしょうか。

キャリアコンサルティングを受けた人は全体の中で12.8%
そのうちの約70%が職場の上司・管理者に相談をしています。
企業外の機関など(キャリアコンサルティングサービスなど)の利用は正社員で約7%、正社員以外で約12%とまだ低い数値です。

こんなに低いんだ、、、
そもそも専門的なキャリアコンサルタントなんて必要なの?
職場の上司でいいのでは、、、?

うむ、やはり専門知識があるのとないのとでは効果は違うよ!
あと職場の直属の上司に相談しづらいこともあるでしょ?
本来であれば外部のプロに任せるのがいいんだ

個人の感想はどうでしょうか?

利用経験がある人のうち約90%の人が役に立ったと回答しています。

「仕事に対する意識が高まった」
「自分の目指すべきキャリアが明確になった」
「上司・ 部下との意思疎通が円滑になった」

以上のようにキャリアコンサルティングには

・上司と部下のコミュニケーションが促されて組織が活性化する
・従業員の意識が高まり職業能力が向上
・従業員の定着率が高まる
・相乗効果で業績や生産性が向上する

などなど。

一個人のキャリア形成のみではなく企業としても恩恵を受けられる成果を上げています。

企業外でのキャリアコンサルタント

さて、上記で企業外の期間の利用はまだまだ低い数値でしたが、
公的・民間ともに需給調整機関と呼ばれるものがあります。
需給調整機関とは労働市場の需要と供給を調整するための機関のこと。
要は企業と求職者をマッチングするための機関です。

公共職業安定所(ハローワーク)ジョブカフェなどの公的機関のようなところ
民間の人材紹介会社・派遣会社・再就職支援機関です。

ハローワークは聞いたことある!

うむ、ハローワークは有名だね。
でも最近の若い人にはあまりなじみがないみたい。
それだけ民間の紹介会社が増えてきてるんだね!

ジョブカフェとは都道府県が設置する若者のための就職支援施設です。
原則として15歳~34歳までを対象としています。
これらの機関で活動するキャリアコンサルタントの役割は
職業紹介、職業指導、職業に関する相談、職業訓練の斡旋など。
また求人を行う企業へのコンサルティングも行うこともあります。
企業内でのキャリアコンサルティングとは異なり求職者のニーズは多岐にわたります。

・すぐにでも仕事を見つけたい人
・自分のキャリアに悩んでいる人
・何がしたいのかわからない人等。

ニーズに合わせてサービスを提供することが求められます

教育機関におけるキャリアコンサルタント

中学校や高等学校の進路指導の一環としての就職支援や大学のキャリアセンターなどでの就職相談などがあります。

前からありましたが、専門のキャリアコンサルタントが理論的な裏付けに基づいて
行うことでより効果的な支援を行うことが出来ます。

また、最近では小中学校の学習指導要領にも「キャリア教育の充実を図ること」という文言が明記されるなど
キャリア教育は重視されております。

ええー小学校からキャリア教育!?

すごいよね!
キャリア教育に関しては後々詳しく説明するね!
今はかんたんに

キャリア教育とは

1999年「望ましい職業観・勤労観及び職業に関する知識や技能を身に着けさせるとともに、
自己の個性を理解し、主体的に進路を選択する能力・態度を育てる教育」とされています。

小学校から導入された背景には新卒の離職率の高さ、フリーター志向の広がりがあります。

2011年にはキャリア教育を
一人一人の社会的・職業的自立に向け必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」
と定義しました。

また社会的・職業的自立のために必要な基礎的・汎用的能力として4つ掲げています

4つの基礎能力

・人間関係形成・社会形成能力
相手の話をよく聞いて、自分の考えをちゃんと伝えること
自分の役割も果たすし、他人と協力して社会に参画できる力
協調性

・自己理解・自己管理能力
自分が出来ること・したいこと・意義を感じることについて
主艇的に行動して今後の成長のために進んで学ぶ力

・課題対応能力
仕事をする上でのさまざまな課題を発見・分析・計画・処理・解決できる力

・キャリアプランニング能力
多様な生き方に関する情報のなかから適切に取捨選択をして、
情報を活用して自分の主体的なキャリアを形成していく力。

っとざっくりこんな感じです。

これに関して詳しくは

Ⅱ キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
7 学校教育制度及びキャリア教育の知識

にて解説します!

こんかい画像ばっかりで手抜きじゃない?

う、、、
確かに楽だった、、、
ではせめて最後にまとめを書いておこう、、、

まとめ

・キャリアコンサルティングは労働者・企業ともに有効であるが、導入しているのはまだ44.5%と半数にも満たない
・導入している企業でも「労働者から求めがあったときに実施する」が半数以上と計画的に導入しているとは言えない状況
・ただ、確かに企業側・労働者側ともに有効な結果が出ている。
・企業内以外でも公共機関・教育機関でもキャリアコンサルタントの重要性は増している

この記事の監修者

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キャリアコンサルタント

兵庫 直樹

国家資格キャリアコンサルタント。大手外資系ホテル勤務を経て、15年に亘り、マネジメント業務に従事。 その中で人材関連に興味を持ち、キャリアコンサルタントを取得し人材業界へ。その後、持ち前のコミュニケーション能力と資格を生かし、ハローワークにて就業支援に従事してきた異例の経歴!

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