第11次職業能力開発基本計画を徹底解説!~キャリアコンサルタント量産計画

職業能力開発もややこしい範囲です、、、
というのも職業能力開発とは国が出している職業能力開発基本計画の知識がメインになります。
でも、言っていることは結構当たり前のことばかり。
そして同じようなことを何度も何度も言っているので、内容自体はそんなに難しくはありません
かみ砕いて記載したので理解しましょう!

それにしても国の出す資料って、
なんでこんなにもわかりにくく漢字がおおいのか、、、

試験範囲細目

職業能力開発(リカレント教育を含む)に関し、次に掲げる事項について一般的な知識を有すること。
① 個人の生涯に亘る主体的な学び直しに係るリカレント教育を含めた職業能力開発に関する知識(職業能力の要素、学習方法やその成果の評価方法、教育訓練体系等)及 び職業能力開発に関する情報の種類、内容、情報媒体、情報提供機関、入手方法等

①は社会人になっても勉強しましょうね、自分のキャリアのために能力つけましょうねってこと
今回は第11次職業能力開発基本計画を重点的に紹介します!
ちょっと重要度は下がるけど第10次のほうも要チェック

目次

職業能力開発基本計画とは

リカレント教育などの単語の知識の前に、職業能力開発基本計画についてみていきましょう!
職業能力開発基本計画とは大それた名前ですが、

そもそも職業能力開発基本計画とは!

経済や労働市場が大きく変わっていく世の中で
産業別、職種別、企業規模別などさまざまな視点から、
いまの労働力の需要と供給の動向を把握しましょう。

そのうえで職業能力を開発するために行動しましょう!

っといったもの
厚生労働省が策定しており4~5年ごとに作られます。
まず初めにキャリアコンサルティング技法の開発を施策として打ち出したのは第7次職業能力開発基本計画からでした。
メインで覚えるべきは一番最近の第11次職業能力開発基本計画とそのまえの第10次職業能力開発基本計画
でも第10次は第11次と同じような感じなので11次を重点的にやりましょう!

他は概要程度で大丈夫です!

第11次職業能力開発基本計画

第一部 計画のねらい

ここでは今の経済の状況、それに合わせてどう対応していくかが書かれています。
砕いて砕いて要約してみました!

第11次職業能力開発基本計画のねらい

日本の経済は緩やかに回復をしていましたが、
コロナの影響により戦後最大の経済の落ち込みとなってしまいました。
また、コロナだけではなく少子化によって働き手がどんどん減っていってしまう課題もあります。

そんな中で日本が経済成長をしていくためには
多様な人材が活躍できる環境整備
一人一人の労働生産性の向上
これが必要不可欠!そのためには
・資本への投資
・デジタル化
・職業能力開発への投資

が大切です。

Society5.0を実現するために社会全体のデジタルトランスフォーメーションは加速していくでしょう!

対応すべきはそれだけではありません。
人生100年時代を迎えて、労働者は働く期間が伸びました。
働き方も多様化しており、労働者が生涯を通して学び続ける必要性が高まっています。
新卒一括採用・長期雇用などの日本型の雇用慣行もだんだんと少なくなり、変化していっています。

経済・社会の変化に対応するにはリカレント教育などの職業能力開発が必要です!
要は、社会人になっても勉強することが大切になるのです。

そして、都会から地方への人の流れを作ることも大切。
地域経済の成長はとても大切です。地域経済の活性化を図るために地方で働く人を増やしましょう!

とは言っても国だけが頑張って出来ることではありません。
国・都道府県・企業・民間教育訓練機関・学校などが協力して職業能力開発を進めることが大切です。

前回の第10次で唱えた「生産性向上に向けた人材育成戦略」は引き続き必要です。
ただ、それ以上に社会の変化がはげしいので労働者が主体的に能力の向上やキャリアの形成に取り組む必要がある。
それを企業・国・都道府県が支援することで一人一人の希望するライフスタイルの実現を図ることが大切。

労働者に求められる能力の求職な変化と職業人生の長期化・多様化が進行する中で、
企業における人材育成を支援する。
労働者の継続的な学びと自立性・主体的なキャリアの形成を支援する
ためにこの計画を作りました!

Society5.0とは
必要なものやサービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにき対応でき、あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会

すげーな

こんな時代背景でできた計画です。
では具体的にどんなことをしてくれるのでしょうか?

ここから先は、それぞれ青枠の中の概要だけ覚えれば大丈夫!
その下の補足部分は理解する際の足し程度に使ってください!

Society5.0

概要

産業構造・社会環境の変化を踏まえた職業能力開発の推進
Society5.0の実現のために
・IT人材など時代のニーズに即した人材育成を強化
・職業能力開発分野での新たな技術の活用・企業の人材育成の強化

具体的には

教育訓練給付におけるIT分野の講座充実・公共職業訓練でのITスキル・ITリテラシーの訓練コース設定
(教育訓練給付とは厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講した時に本人が支払った費用の一部を支援する制度
要は、お金を出すからITの勉強してくださいってこと)
オンラインによる公共職業訓練の普及、ものづくり分野の職業訓練におけるSR・VR技術の導入の検討
・企業・業界における人材育成の支援、中小企業などの生産性向上に向けたオーダーメイド型の支援の実施
・教育訓練の効果的実施に向けて、企業でのキャリアコンサルティングの推進

Society5.0の実現に向けて経済や社会構造改革が進展しています。
それにコロナの影響もあり社会全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速化しました。
皆さんもテレワークなど新しい動きがあったのではないでしょうか?

では、コロナの影響で近年の労働市場はどう変化したのでしょうか?
令和2年度では
完全失業率  2.8%
有効求人倍率 1.18倍
と求人は求職を上回ってはいるものの、コロナ前より悪化しています。

変化と課題

変化① AI技術の活用により競争は激化し、様々な分野でイノベーションが起きている
課題  日本は対応が遅れている

そもそも、日本の教育訓練費は他の主要国と比べて少ないです。
民間企業の教育訓練費は1990年代以降横ばいまたは低下傾向にあります。
「失業なき労働移動」のためには、もっともっと産業構造の変化に対応した能力開発が必要です。
また、自己啓発においても課題があります。
正規雇用労働者は非正規雇用者より相対的に多く自己啓発を行っています。
しかし、自己啓発が出来ない労働者が大勢います。
・時間がない
・費用が高い
・何をしたらいいのかわからない
そのため働きながら学べることを実現する取り組みや、
適切なキャリアコンサルティングによる支援がより重要になっています。

だって、そもそも非正規雇用労働者に対して
企業が自己啓発を求めてないんじゃない?

確かに自己啓発に関わらず研修やキャリアについての費用も
正規雇用と比べて少ないね、
それも今回の職業能力開発基本計画で問題視されてる。
後で出てくるよ!


変化② 55歳~64歳の年齢層の就業率や女性の就業率が高まっている
課題  受け皿が足りない

今に始まった話ではありませんが、働く年齢は高齢化してきています。
また、多くの女性が就業を希望しています。
しかし、女性の潜在的な労働力と現実の就業率にはギャップがあります。

転職と雇用形態

就業者の中では転職者数は緩やかに増加しています。
とくに「より良い条件の仕事を探す」ことを目的とした転職が増えているようです。
また非正規雇用労働者数は増加しています。
経営の不確実性の増大やITの技術進歩などを背景に非正規雇用の需要が高まりました。
また労働者側からしても自らの生活スタイルに合わせた働き方を求めて
非正規雇用を選択するものが増えています。

なるほど、非正規は労働者側の希望だけじゃなくて
企業側の需要も増えてるんだね、、、

IT人材の育成強化

教育訓練給付によるIT人材の育成強化を目指します。
教育訓練給付制度による、IT関連の講座の充実
人材開発支援助成金による、企業内でのIT人材の育成の促進
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構でのITの活用に向けた訓練の提供を促進する
・離職者向けに公的職業訓練においてITスキルやITリテラシー習得のコース設定を推進する
・ものづくり分野におけるIoTやロボットなどの技術の習得に向けた教育プログラムの開発と実施を推進する

IT人材の育成だけではなく、ITを活用して職業訓練を推進する動きもあります。

ITの活用

・公共職業訓練の全ての過程で、同時双方向型のオンライン訓練の実施
・ものづくり分野の職業訓練にAR・VR技術を活用した訓練、受講管理システムなどIT技術を導入する
・オンラインを活用したキャリアコンサルティングを推進する

などITを活用しての取り組みも推進されています。

②キャリア形成支援

これまでは国の施策が多かったですが、企業や個人はどうでしょうか。

概要

労働者の自律的・主体的なキャリア形成の推進
不確実性、職業人生の長期化を踏まえて、
労働者が時代のニーズに合ったスキルアップが出来るように
・キャリアプランの明確化の支援
・はばひろい視点から学びの環境整備

具体的には

・企業へのセルフキャリアドック導入支援・労働者がキャリアコンサルティングを利用しやすい環境の整備
 キャリアコンサルタントの専門性の向上や専門家とのネットワークづくりの促進、企業への人材育成の取り組みの提案
ITの利用・活用などの基礎的内容を中心とする動画の作成・公開、
 教育訓練給付制度の対象鋼材に関する情報へのアクセスの改善
教育訓練休暇や教育訓練短時間勤務制度の普及促進、社内公募制などの労働者の自発性などを重視した配置制度

企業の人材育成の強化

企業の人材育成の支援や中小企業の生産成功に向けたオーダーメイド型の支援を実施します。


・個々の企業や業界のニーズに合った人材育成のために、
 人材開発支援助成金による訓練経費を助成して職業訓練の実施を促進
・訓練の修了者が公的職業訓練と同様に、
 技能検定において一部の科目が免除になるなどの認定職業訓練を行う事業主を支援する
・全国87か所の職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)
 企業の人材育成に関する相談や支援と人材育成プランの提案を行う
・ポリテクセンターでのモノづくり分野の在職者訓練や個々の企業のニーズに応じた
 オーダーメイド型の訓練などの生産性向上支援訓練を実施する
・中小企業への支援として職業訓練指導員の派遣やポリテクセンターなどの施設の貸し出しも行う
・企業におけるキャリアコンサルティングの推進を支援する
・中央職業能力開発協会でキャリア形成支援の充実を図るために
 職業能力開発推進者に対する研修などを実施する

なげーよ!

まーつまり人材開発のためにいろいろ支援しますよ!
ってこと。

労働者個人のスキルアップ環境の整備

さらにさらに労働者個人に焦点を当てて、労働者がよりスキルアップできるために環境を整備していきます。
そしてそのためにはキャリアコンサルタント自身もパワーアップしないといけません!


・キャリア形成サポートセンターの整備などを通じて
 企業へのセルフキャリアドックの導入支援や夜間・休日・オンラインで利用できる
 ジョブ・カードを利用したキャリアコンサルティングを推進する
・キャリアコンサルティングの推進には産業界・企業における理解が必要なので、理解を促す取り組みをする
・ジョブ・カードをもっと普及させる


キャリアコンサルタントに求められること

・労働力普及調整や職業訓練の場面における活動領域に応じた専門性を深める
・実践力の向上に向けた取り組みを促進する
・寄せられる相談内容の複雑化・高度化に対応するために、
 キャリアコンサルタントが知識を身に着けられる機会を確保するとともに、
 産業医や保健師などの関連領域の専門家に適切につなぐ知識や能力、ネットワークづくりを促進する

キャリコンも大変だ、、、

労働者の自主的な学びの支援

ITを利用活用する上で求められる基礎的内容を中心とする動画の作成と公開を行います。
また、教育訓練給付制度の対象講座に関する情報へのアクセスを改善することで自主的な学びを促します。
その他には教育訓練休暇や教育訓練短時間勤務制度の普及、社内公募制などの自主性を重視した配置制度の普及を促進します。

③労働市場インフラの強化

概要

労働市場インフラの強化
日本型雇用慣行の変化の可能性や労働者の主体的なキャリア選択の拡大を視野に
雇用のセーフティネットとしての公的職業訓練や
職業能力の評価ツールなどの整備を進める

具体的には

・産業界や地域の訓練ニーズを反映した職業訓練の促進
・技能検定制度・認定社内検定の促進、ホワイトカラー職種における職業能力診断ツールの開発、日本版O-NETとの連携
ジョブ・カードの活用促進
・デジタル技術も活用した在職者・離職者・企業などへの情報発信の強化

産業界や地域のニーズを踏まえた公的職業訓練

職業訓練や地域コンソーシアムの構築などにより、地域の職業能力アップを図ります!
・人材ニーズに合わせた公的職業訓練の推進
離職者向け訓練の実施
・中小企業に対する人材育成の支援
・職業訓練指導員の育成・確保

日本版O-NET

日本版O-NETとは職業情報提供サイトです。
2020年3月に厚生労働省が開設し職業検索やキャリア分析、人材採用支援、人材活用シミュレーションなどが行えます。
技術検定制度や認定社内検定、職業能力診断ツールの開発などの普及・促進を図るとともに
日本版O-NETとの連携を進めて、より包括的にアプローチできるサイトを構築します。

ジョブカード

ジョブカードについては詳しくは別記事にてご紹介しますが、
第11次職業能力開発基本計画でもジョブカードの活用促進を唱えています。
長期にわたるキャリア形成の促進のためにジョブカードをオンラインで登録できるウェブサイトの構築
マイナポータルとの連携などによりジョブ・カードのデジタル化を推進します。

デジタル技術も活用した在職者・離職者・企業などへの情報発信の強化

・とくに在職者の学びなおしを後押しするために、
 キャリアコンサルティングや教育訓練給付制度などの在職者向けの施策の情報発信を強化します。
・その他には個々の労働者や企業、地域などにおいて、
 キャリア形成支援の優れた取り組みを行う企業を表彰して広報することで積極的な取り組みにつなげます。

④全員参加型社会の実現

概要

全員参加型の社会の実現に向けた職業能力開発の推進
希望や能力などに応じた働き方が選択でき誰もが活躍できる
全員参加型社会の実現のため、全てのものが少しづつでもスキルアップできるよう、
個々の特性やニーズに応じた支援策を講じる

具体的には

・企業での非正規雇用労働者のキャリアコンサルティングや訓練の実施求職者支援訓練の機会の確保
育児などと両立しやすい短時間訓練コースの設定、訓練を受けているときの託児支援サービスの提供
就業経験の少ない若者に対する日本版デュアルシステムや雇用型訓練の推進、地域若者サポートステー
 ションにおけるニートや高校中退者等への支援の強化
高齢期を見据えたキャリアの棚卸しの機会の確保、
 中小企業等の中高年労働者を対象とした訓練コースの提供
障害者の特性やニーズに応じた訓練の実施、キャリア形成の支援
就職氷河期世代、外国人労働者など就職等に特別な支援を要する方への支援

非正規雇用労働者の職業能力開発

企業内でキャリアアップができるようにすることを目指します。
企業内でのキャリアコンサルティングや訓練、キャリアパスの整備などを非正規雇用労働者に対しても機会の確保をします。

女性の職業能力開発

・育児と両立しやすい短時間コースの訓練コースの設定
・介護・医療・ITなど女性が活躍している分野での訓練コースの設定
・託児支援サービスの提供
・仕事と子育ての両立などを考慮したキャリアコンサルティングの実施

などを通して女性の職業能力開発を推進します

若者の職業能力開発

・就業経験の少ない若者に対する日本版デュアルシステムや認定実習併用職業訓練を推進します。
日本版デュアルシステムとは35歳未満の若年者を一人前の職業人に育てる人材育成プログラムです。
認定実習併用職業訓練とは事業主が主体となって、
業務遂行で行う実習(OJT)と教育訓練施設で行う(OFF-JT)
を組み合わせて行う職業訓練です。

・ニートや高校中退者などへの支援を地域サポートステーションによって強化します。
・キャリアコンサルティングの機会を確保する
・学校生活から就労への円滑な移行のためにキャリア教育をするキャリアコンサルタントを養成する

中高年齢者の職業能力開発

・キャリアコンサルティングにより今までに培った知識・経験の棚卸をして、キャリアプランの再設計を考えを促す
・中高年労働者を対象として訓練コースの提供

障害者の職業能力開発

全国障害者技能競技大会(アビリンピック)を実施して障害者の職業能力向上を図る
企業や社会一般の人の理解を深め、障害者雇用の促進につなげる

特別な支援を要する方への支援

就職氷河期世代は、希望する就職が出来ず「不本意ながら不安定な仕事についている」「仕事がない」などの課題に直面しています。一人一人の事情に合わせた長期的な支援が必要です。
また外国人労働者にも、その特性に応じた支援が必要です。コロナの影響を受けやすいことが懸念されるため、よりきめ細やかな支援が必要です

その他

概要

技能継承の促進
ものづくりマイスターなどによる技能継承や技能体験イベントなどで若者の物づくり分野への積極的な誘導
技能五輪国際大会を通じて社会の認知度を高めて社会的な評価や価値を高める

職業能力開発分野の国際連携・協力の推進
開発途上国の技能労働者の育成のために「技能評価システムを通じた技能移転事業」により日本のものづくりや中小企業のノウハウを国際的に普及させる

厚生労働省「第11次職業能力開発基本計画」

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この記事を書いた人

人材紹介会社にて約6年勤務。
人事責任者としての経験もあり、求職者側・企業側双方の視点から人事を学んでおります。

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